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―未来への灯火―3

مؤلف: 相沢蒼依
last update تاريخ النشر: 2025-12-24 09:55:32

***

ガタガタガタッ!

「わっ、ビックリしたな……」

夕飯を食べ終えて穂高さんが買ってくれたプリンに舌づつみを打っている最中に、強風で窓ガラスが音を立てはじめた。

海から吹き付けるような風はまるで台風の到来のように感じるもので、天気の急変時に毎回こんな風が吹くから、今は慣れてしまった。

――それでも、心配の種が尽きないのは常なんだ……。

(穂高さんがこの風に煽られて、海に落ちていなきゃいいけど。この様子だと、間違いなく波だって高いはずだ。いつもより仕事をするのが大変だろうなぁ)

疲れて帰ってくる穂高さんのことを考えて、明日の朝ごはんはスタミナ系のおかずにしようと考えついた。

手に持っていたプリンを食べてから、スマホでレシピを検索してみる。親切丁寧なレシピの数々に、頭が下がってしまう。俺でも作れそうなものが、結構出てきた。

「焼き肉のタレに一晩漬け込んでおいて、あとは焼くだけにしておけば、朝からバタバタせずに済みそうだな。これにしようっと」

空になったプリンの容器を片手に台所に立ち、下ごしらえを開始する。穂高さんの喜ぶ顔を想像しながら作るだけで、楽しさが倍増するから不思
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  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   恋色のバラに永遠の愛を誓って2

    「店長さんの名前は大倉さんっていう人で、彼氏は北条レインっていう、現在ナンバーワンの人だよ」「新旧のナンバーワンを、見ることができちゃうんだね」「大倉さんも元ホストだからね。もしかしたら千秋の心を、奪いに来るかもしれないよ?」 こんなふうにって言いながら、強引に肩を抱き寄せて、掠め取るようなキスをする。ほんのわずかな触れ合いだったけど、心臓が一気に駆け出した。「ンッ!? も、ここ外なのにっ!」「ふっ、抜かりないよ。誰もいないから」「何言ってるんですか、あそこの通りに人がいる」 外でされた接触に思わず声を荒げると、肩を竦めて呆れた表情をあからさまに浮かべる。悪びれる様子がないせいで、余計にボルテージが上がってしまった。「大丈夫だ。ここは薄暗がりだから見えない」 何だろう、違和感ありまくりだ。今日に限って、やたらと大丈夫を口にするなんて。まるで、自分に言い聞かせるみたいに聞こえる。「そんな顔をしていると、大倉さんに好かれてしまうかもしれないね。ほら、ここだよ」 大きなビルにある扉を開けたら、カランコロンという音が鳴り響き、いきなり――。「いらっしゃいませ! シャングリラに、ようこそお越しくださいました」 大きな声と共に、目の前に現れた背の高いイケメン。少しだけ茶色い髪をなびかせながら、見るからに涼やかな一重瞼を細めて、俺の顔を見つめる。 意味ありげなその視線に思わずたじろいで、後ろにいる穂高さんを見上げたら、俺の腰を抱き寄せるなり、ぐいっと中に押し込む。(うわぁ、イケメンのサンドイッチにあってるよ。前を見ても後ろを見ても、整った顔立ちの人しかいない) 持ってる雰囲気だけじゃなく、オーラっていうのかな。それが躰から漂っているせいで、何もしていないのに酔ってしまいそうだった。「店長の大倉です。こういうお店に来るのは、はじめてなのかな?」 穂高さんから引き離すように右手を掴んで引っ張られ、あっという間に大倉さんに密着させられた。いきなりの行動に目を白黒させながら振り返ると、穂高さんはその場に佇んだまま、じっとしていた。(――どうして、助けてくれないんだろう?)「あ……」 そういえば穂高さん、大倉さんの恋人にイタズラして、大層怒らせたんだっけ。そのせいで、俺を助けることができないんじゃ……。 恋人だからこそ、自分ができることはひとつ

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   恋色のバラに永遠の愛を誓って

    同性の恋人と遠距離恋愛をして、1年とちょっと。離れている時間が長い分だけ、逢ったときの感動はひとしおだった。『悪いがこの日のバイトを、19時上がりにできないだろうか? 一緒に出かけたいところがある』 なんていう嬉しいメッセージが先月末にあって、恋人の穂高さんと出かける約束をした。ゆえに鮮魚コーナーのバイトに2時間半だけ働いて外に出たら、見慣れた赤い車が従業員出入り口の前を塞ぐように停められていた。運転席に座る、穂高さんと目が合う。「北海道から、ホントに来ちゃったんだ。どういう理由を使って、お休みをもぎ取ってきたんだろう?」 そんな疑問を口にしながら、ドアを開けて助手席に乗り込む。「お疲れ様、千秋」 直接聞くことのできる労いの言葉に、口元が緩んでしまう。いつもならスマホ越しで聞く言葉なので、とても嬉しい。だからこそ、気がつくことがあるんだ。「ありがとうございます。あの穂高さん、疲れてるんじゃないんですか? 声に張りがない感じがしますけど」 ぐいっと顔を寄せたらギョッとした顔で、顎を引かれてしまった。「ま、まあ長距離運転してきたし、多少の疲れはあるかもしれないね」 誤魔化す時によくする営業スマイルで俺を見つめても、騙されない自信がある!「ところでどうやって、仕事を休んできたんですか? 漁の最盛期だっていう話を、船長さんから聞いているんですけど」 北海道のとある島で漁師をしている穂高さん。彼と恋人同士なのを知っている船長さんとは、電話でよくやり取りする仲だった。「のっぴきならない事情のために、千秋の所に行ってくると伝えたのだが」(何でそれであっさりと休みが取れちゃうんだよ、呆れた……)「どうせ穂高さんのことだから気を取られて、ドジばかりしていたんでしょうね」「どうして分かったんだい?」「えっ!!」 まったく、困った人だな。だからお休みを戴けたんだ、納得!「千秋は俺のことを、本当によく理解しているね。嬉しく思うよ」 呆れ果てて固まる俺を尻目に、ニッコリとほほ笑みながら、アクセルを踏み込んで車を出す。「……あの、どこに向かうんでしょうか?」「メンズキャバクラ、シャングリラ。俺の元職場なんだが」 むー、ホストクラブとメンズキャバクラって、何が違うんだろ? 女性客を相手にするのは、何となくわかる感じだけどな。「そこの店長さんの恋

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   ―純血の絆―③ヴァンパイアとしての愛し方4

    「穂高さん、あの……」「わかってる。今の君の血を吸っても、無意味なものになるね。だが――」 柔らかい唇が俺の肌を甘噛みした。牙が当たらないように何度も噛む、優しいその行為に、自然と息があがってしまう。「大好きな君を愛したい。愛させてくれ千秋」 穂高さんの低い声色を聞いただけで、どうにかなってしまいそうだった。「ここに来てくれて、すごく嬉しいです」「つらいときは、遠慮なく呼んでほしい。能力を使って、すぐに飛んでいくよ」「お仕事、忙しいのに……」 感じて掠れてしまった俺の言葉を聞いて、穂高さんがやっと顔をあげる。見下ろしてくる視線は、とても優しさを感じさせるものだった。「確かに仕事は忙しいが、数日間俺がいなくても支障はない。それに仕事には労働者の代えがきくが、千秋はこの世にひとりしかいない、俺のとって大切な存在だ。かけがえのない君が、ここで苦しんでいるのが分かっているというのに、傍に駆けつけない恋人がいると思うかい?」「それは、そのぅ」「しかもその原因を作ったのは、この俺だ。今度からは、遠慮せずに言ってほしい。つらいって、傍に来てくれって。お願いだから、もっと我儘を言ってくれ」 切々と語った穂高さんは、俺をぎゅっと抱きしめた。息苦しさすら感じさせる抱擁なのに、今の自分にはそれすら、心地よく感じさせるもので――。「穂高さん、俺ね……」「ん?」「貴方にこうして愛されるだけで、涙が出そうになる。嬉しくて、どうにかなってしまいそうなんですよ」 さきほどまで感じていた吸血衝動が、みるみるうちになくなっていくのを感じた。あれだけ喉の奥が干上がっていたのに、今は何かで満たされている。「千秋、人間の姿に……」「戻ってるみたいですね。穂高さんの想いを躰全部で感じていたら、自然と苦しさがなくなっていきました」 穂高さんの大きな背中に腕を回して、同じように抱きしめ返してみる。すると肺の全部を使ったような、深いため息をひとつついてから「よかった」と低い声で呟いた。「きっと穂高さんの血で吸血鬼になったから、穂高さんの優しさで治まってしまうのかもしれませんね」「だったらますます、俺が駆けつけなければならないね。まいった……」 俺のオデコにこつんと自身のオデコをぶつけて、困ったように笑う大好きな顔が目の前にある。薄暗がりだし、近すぎて焦点が合わなくてよく

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   ―純血の絆―③ヴァンパイアとしての愛し方3

    「なんていうか……。穂高さんが傍にいてくれるだけで、つらいのがなくなる気がします」 視線を逸らしながら、思っていたことを口にする。下半身の事情で焦っているせいか、さっきまでつらかった吸血衝動が、多少なりとも緩和されていた。「千秋は我慢強いね。俺も見習わなくてはいけないな」 カーテンの隙間から入り込む僅かな月明かりが、穂高さんを照らした。俺の顔をじっと見つめながら、印象的な瞳を意味深に細める表情を目の当たりにして、胸がきゅっとしなる。 それと同時に、栗色の髪も月明かりの加減で金髪に見えるせいで、ヴァンパイアの姿をした彼に激しく抱かれたことを思い出してしまった。「穂高さん……」 妙に掠れた自分の声が、部屋の中に響く。どことなく誘っているようなそれを聞いた途端に、目の前にある形のいい口角の端が上がった。 意味ありげな穂高さんの微笑に、何度も目を瞬かせるしかない。こんなふうに微笑まれる意味が、さっぱり思いつかないからだった。「なぁ千秋、布団の上から抱きしめた時点で君が勃っていることに、ちゃっかり気がついていたんだが――」「えっ!?」「素知らぬふりして、そのままやり過ごせるほど、できた男じゃないんでね」 穂高さんの言葉に驚いて、布団を握りしめていた力が呆気なく抜けてしまった。見ていてそれが分かったのか、次の瞬間には勢いよく布団が剥ぎ取られてしまう。 外気にさらされた躰は、ぬくもりが瞬く間に消え去り、厚手のパジャマを着ていても背筋がぞくっとした。ヴァンパイアの状態でいるときは体温が低いので、寒さが余計に堪える。「君の体温をできるだけ奪わないように、あたためてあげる。こうして――」 手にした布団を自分に背中に被せるなり、俺に跨ってきた穂高さん。そのままゆっくりと包み込むように、躰の上に倒れてきた。「あったかい……」 冷えた躰に、穂高さんの体温がとても心地よかった。俺の頬にオデコをすりりと擦りつけてから、首筋にキスを落とす。「千秋がヴァンパイアだというのに、君の香りを嗅ぐだけで、いつものように吸血したくなる」「えっ?」 いつも俺を吸血するときに噛む場所に、穂高さんの牙の側面が当たって、彼が変身したことが分かった。

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   ―純血の絆―③ヴァンパイアとしての愛し方2

    「君の血が欲しくて来たんじゃない。吸血衝動のつらさを知っているから、少しでも楽になればと思ってね」 まったく触れていないというのに、俺の目を惹きつけずにはいられない穂高さんの姿を見ただけで、下半身のカタチが変わってしまったということが、ものすごく恥ずかしい。 彼はひとえに俺を想って、遠い場所からこうして、わざわざ来てくれたというのに――。 それを知られないようにすべく、両腕で布団を引っ張った。妙な振動を与えないために、躰を緊張させて強張らせる。「千秋、相当つらそうだね。呼吸もかなり荒くなってる」「ええっ、えっと布団の中にずっと引きこもっていたから、酸素が足りなくなっているのかもしれないです。……多分」 首から下は完全に布団の中に入ってる。穂高さんに布団を剥ぎ取られなければ、俺が勃っていることは知られない。「ヴァンパイアの姿でいるのは、寒くないかい? 俺が布団の中に入って、抱きしめながら温めてあげよう」 布団の上から抱きしめていた俺の躰を放し、立ち上がって両目を閉じた穂高さんは、次の瞬間には人間の姿に代わっていた。「だだだ、大丈夫ですよ。しばらく布団の中に入っていたので、そこまで寒くはありません。本当に!」「俺はもともと体温の低い男だから、もしかしたら千秋の熱を奪ってしまうかもしれないね。それが分かっているから、そんなことを言って断っているんだろう?」 眉間に皺を寄せた顔を近づけて、「他にできることがあるだろうか」なんて言われたら、断ることなんてできやしない。

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   ―純血の絆―③ヴァンパイアとしての愛し方

    「うっ、穂高さんはっ……すごい、な」 満月が出る夜の前後に、吸血衝動が出やすいことが分かってから、バイトのシフトを昼間に変更したり休んだり、自分なりに工夫してやり過ごしていた。 喉の奥が干上がる何とも言えないその感じは、いく度味わってもつらいと思わされた。俺に出逢う前にこの吸血衝動を、穂高さんは必死になって抑えていたというんだから、本当に頭が下がる。 脳内に描かれる深紅の液体、煌めく赤い色の血液――それが、どんな味をしているのか。頭の中であれこれ想像するだけで涎が滴るのに、それが喉を通っても上っ面を通過するだけで、余計に干上がっていく感覚を覚える。 ぎゅっと目を閉じて、頭の上から布団をかぶって吸血衝動が治まるのを待っていたら、背中にずっしりとした重さをいきなり感じた。「千秋、随分とつらそうだね。大丈夫かい?」 それは布団の外から聞こえた、くぐもった声だった。だけど聞き覚えのあるその声を聞いた瞬間に布地を引っ張って、何とか頭だけを出した。「穂高さん、どうして……」「合鍵を使って部屋に入った。俺は昨日の夜に、吸血衝動があってね。千秋の頑張りを真似して、やり過ごしてみたんだ。だけど――」 背後から回されている穂高さんの両腕の力が、痛いくらいにきつくなる。「暗闇の中でも光り輝く赤い瞳を見ただけで、君に魅せられてしまう」 俺の姿に当てられたのか、穂高さんも髪の色が金髪になるのと同時に、両目の色が赤くなった。「駄目だよ、穂高さん。今の俺は吸血鬼なんだから」 穂高さんが欲する血を与える存在に、俺はなれないというのに。求めるように見つめられるだけで、俺自身が大きくなってしまった。

  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   それが恋だと気づくまで――④

    ***(身体が重だるぅ……) うつ伏せのまま冷たい床に横たわりながら、グッタリしていた。 行為から時間が経ってきたせいで、火照っていた身体がどんどん冷えてくる。傍に落ちていた自分のブレザーに手を伸ばして羽織りながら、目の前にいるふたりに視線を飛ばした。「んもぅ、先輩ばっかズルいですって。藤田先輩と2回も立て続けにヤるなんて」「これは、いつものお約束なんだよ。それに俺がヤってる最中、お前のを藤田が尺って気持ち良くしてもらっていただろ」「だけどイケてないんですよ。辛すぎます!」 3Pを楽しむみたいなことを言ったくせに、実際は先輩が挿入してから数分で、1年の身体を俺から引き離した。

    last updateآخر تحديث : 2026-04-02
  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   Final Stage 第2章:必要のない思い遣り2

    ***「憂鬱だけど、行かなきゃな……」 島で買った名産を手にして、楽しく過ごしたことを語りながら、お土産を配るハズだった。本来なら――。(うだうだ考えていても仕方ない、なるようになるって!) ばしばしっと両頬を叩いて気合を入れてから、アパートを飛び出す。いつもより少しだけ遅い出発時刻。バイト先にいる竜馬くんのことを考えると、どうしても気持ちが落ち着かなかった。 ここで、一番の問題にぶち当たる。それは普通に、会話をはじめることだ――告白された身として、やんわりと断った事実があるからこそ、ムダに気を遣いまくってしまう。 困ったなと思いつつ従業員入口の扉を開けると、目の前に見慣れた背中

    last updateآخر تحديث : 2026-03-21
  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   残り火2nd stage 第3章:助けたい6

    ***    呆然とした千秋と一緒に自宅に戻り、塩水でベタついた肌をシャワーで綺麗に洗い流した。サッパリして居間に戻ると、にこやかに微笑んだ千秋から麦茶を手渡される。「ん……ありがと」「仕事に行く準備、しなくて大丈夫ですか?」 麦茶を口にしながら壁掛け時計を確認してみたが、まだ余裕はあった。「準備があったとしても、そんな顔してる君を放っておくなんてできるわけがない。うずうずしてるだろ?」 さっきのことを詳しく知りたいっていうのが、そわそわした千秋の雰囲気から伝わってきていた。「でも準備が――」「俺としては、もっと甘えてほしいな。遠慮せずにワガママも言ってほしい……」 ――

    last updateآخر تحديث : 2026-03-20
  • 残り火 After Stage ―未来への灯火―   残り火2nd stage 第2章:波乱万丈な夏休み2

    *** ここに来てからというもの、すべてのタイミングがズラされる。まるで俺の計画を、見事に邪魔をするような感じに思えてならない。「穂高さん、はいどうぞ」 テーブルに並べられた、たくさんの和食ご膳を美味しそうに食べながらお酌をしてくれる千秋。「……ありがとう」 注がれた地酒を一口だけ呑んで、ぼんやりと外を眺めた。さっきまで一緒に入っていた、檜の露天風呂が目に入る。 背中の流し合いをし(手を出そうとしたら睨まれたので我慢した)一緒に湯船に浸かった瞬間、それは聞こえてきた。「ねぇ、何か声が聞こえない? 風に乗って」 千秋が眉根を寄せて、衝立の向こう側に指を差す。さっきまでお湯を盛大

    last updateآخر تحديث : 2026-03-17
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